噂と真実

ほんとはスタ論について書くつもりだったけど、かなり気になった記事があったのでそちらについて。


ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100306-00000532-yom-soci


以前、直接話を聞くことができた医療過誤遺族の方(以下、Aさん)も、まさにこのことを言っていた。
(Aさんは「医師専用の2ちゃんねるみたいなの」と言っていた。)
こういう事態の何が悪いかって、例えば「○○事件の○○(医療過誤被害者又はその家族)は、○○だ!」(大体事実のねじ曲げや一方的な思い込みがある)という書き込みがあったとすると、それをみた人が、たいしてそのことを知らないのに「そうなんだ、それはひどい!」と思い込んでしまって、以下悪意が止めどなく広まっていってしまうことだ。
医療過誤で家族を失った者の何よりの願いは、同じような被害者が出ないこと。そのためには、何がまずかったのかを冷静に分析する必要があるし、真実を明らかにするために被害者側が声をあげることも必要な場面があると思う。医師の先生方にも、まずかった部分についてはまずかったと認識してもらいたいし、被害者の気持ちも知って欲しい。
それなのに、こういう書き込みの負の連鎖で医師の間に医療過誤被害者への不信が広まってしまうと、歩み寄ること、対話をすることすらできなくなってしまう。
日本医師会のなかに、こういう動きに対して真剣に警鐘を鳴らす人物が少なからず存在するということは、救われる事実だなと思う。


これもAさんの話で、すごく印象的だったものがある。
ある日、何かの会議終了後に、一人の医師が声をかけてきた。
神妙な面持ちでその医師が言うには、
「恥ずかしながら、私は今日まで、○○さん(Aさん)のことを誤解していました。他のところで聞いていた噂を元に、論理も何もなくただ病院批判をする“モンスター”だと思っていました。」


噂で人を判断するのは、よろしくない。